秋田市を東西に結ぶ南通りを西にひたすら真っ直ぐ進むと、秋田市の飲食街「川反」の五丁目橋に到着します。
五丁目橋の西詰には、ひっそり佇む観音様がいらっしゃることをご存知でしょうか?
五丁目橋に佇む観音様、一度は見たことあるかも?
時は慶応4年(1868)7月4日、戊辰戦争の最中、秋田藩と袂を分かつことになった仙台藩の使者11名が殺害され、ここ五丁目橋に首を晒されました。
そんな仙台藩士たちを悼み、かつてこの地で営業していた小料理屋のご主人は30年に渡り、線香をあげ供養していたそうです。
その店が平成12年(2000)に橋の拡幅工事で取り壊されることになり、それをきっかけに、観音様は仙台藩士の慰霊と共に、川反をこよなく愛した先人達の慰霊として建立したそうです。
また、観音様の台座に詠まれた歌が刻まれていました。
「夕されば 川反の灯は やすらけり
観音像に 路ゆく人に 宏明」
先人たちの紡いできた歴史が有り、私達は現在を生きることができておるのだと改めて思わされた出会いでした。
観音様は今日も川反を行き交う人を、優しく見守ってくださいます。合掌。
ら・て和尚